こんにちは、RAVENOL JAPANです。
この記事では、私たちが自信を持っておすすめしている5W-30オイル、RAVENOL HLSを、オイルにあまり詳しくない方にも分かるように、ていねいにご紹介します。
先に、ひとことでまとめます。
HLSは、BMW・メルセデス・ベンツ・GM・オペルのメーカー承認を持つ、ガソリン車にもディーゼル車にも使える5W-30です。DPFを備えた車にも使えるミドルSAPS設計で、エンジン内部を汚れにくくする技術「CleanSynto®」を採用しています。
用語が出てきたら、そのつど説明します。
「5W-30」って、何の数字?
オイルの缶に書かれた「5W-30」は、オイルの硬さを表しています。
オイルは、冷えると固くなり、温まるとさらさらになります。ハチミツと同じです。
- 前の数字(5W) … 寒いときの流れやすさ。小さいほど、寒くてもさらさらしています
- 後ろの数字(30) … 温まったエンジンの中での、ねばり強さ
つまり5W-30は、「寒い朝でもちゃんと流れて、温まってからもしっかり油膜を保つ」ことを目指した粘度です。くわしい読み方は、こちらをご覧ください。
内部リンク:粘度表示とメーカー承認規格の読み方 →
RAVENOL HLS は、どんな車に使えるの?
HLSが使えるのは、5W-30を指定する、欧州の乗用車です。
ガソリンエンジンにもディーゼルエンジンにも、ターボにも直噴にも使えます。DPF(ディーゼル微粒子フィルター)を備えた車にも使えます。
そして、HLSはメーカー承認で選ぶ車に向いています。承認というのは、自動車メーカーが「うちのエンジンで試験して、合格した」と認めたオイルのことです。欧州車の取扱説明書には、粘度ではなく「MB 229.51」や「BMW Longlife-04」といった承認番号で、オイルが指定されていることがあります。
内部リンク:オイル交換の価格はなぜこんなに違うのか ― メーカー承認とは →
HLSを使うための確認方法は、簡単です。車の取扱説明書で、エンジンオイルの欄を開いてください。 そこに書かれている承認番号が、HLSの承認の一覧にあれば、候補になります。
HLSの良いところ
ここからが本題です。HLSの特徴を、順番にご紹介します。
数字も出てきますが、これらはすべて、製品ごとに公開している技術資料(TDS)に載っている測定値です。意味もあわせて説明します。
① 欧州メーカーの承認を、1本で幅広く備えている
HLSが正式に承認を取得しているのは、次のとおりです。
- BMW Longlife-04
- メルセデス・ベンツ MB 229.51
- メルセデス・ベンツ MB 229.52
- GM dexos2
- オペル OV 040 1547 – D30
- API SQ
BMW、メルセデス・ベンツ、GM、オペル。4つのメーカーの承認を、1本のオイルで備えています。
さらにメルセデスは、229.51と229.52の両方を取得しています。229.52は、229.51の要求を満たしたうえで、省燃費性能と酸化安定性の追加要求をクリアしたカテゴリです。つまり、より厳しい側の試験も通過していることになります。
内部リンク:MB 229.51とは →
② DPFを守る、ミドルSAPS設計
「SAPS(サップス)」は、オイルに含まれる硫酸灰分・リン・硫黄の総称です。オイルを守るために必要な成分ですが、排気に混ざると、DPFやGPFといったフィルターに溜まってしまいます。 溜まった灰は、フィルターの再生処理でも取り除けません。
HLSは、この成分を抑えたミドルSAPSです。硫酸灰分は0.69%。 ACEA C3の上限0.8%の内側に収めています。
DPFを備えた車にも安心してお使いいただけるのは、この設計のおかげです。
内部リンク:ACEA規格の読み方 ― C1からC6まで →
③ 温度が変わっても、ねばりが変わりにくい
エンジンの中は、冷えているときと、渋滞で熱くなっているときとで、温度が大きく違います。オイルには、どんな温度でも安定して働いてほしいわけです。
これを表すのが粘度指数です。高いほど、温度の影響を受けにくいオイルということになります。
HLSの粘度指数は166。 一般的な鉱物油ベースのオイルは100前後、品質の高いベースオイルを使うと150を超えてきます。166は、その上の領域です。
④ 高温でも、油膜をしっかり保つ
エンジンの中でいちばん過酷なのは、高温で強く押しつぶされる状態です。ここで油膜が薄くなってしまうと、金属どうしがこすれて摩耗が進みます。
この状態での油膜の頑張りを表すのがHTHS粘度です。HLSは3.68 mPa·s。 ACEA C3の要求(3.5以上)を上回っています。
100℃での動粘度も12.2 mm²/sと、30グレードの上限(12.5)に近い値です。同じ5W-30のなかでも、HLSはしっかり厚めの30です。高温での油膜保持を大切にした設計だと言えます。
⑤ 寒い朝のエンジン始動に強い
エンジンをかけた直後は、まだオイルが隅々まで届いていません。この数秒間は、摩耗が進みやすい時間帯です。
HLSは、-30℃を下回る低温でも、始動直後から潤滑できる設計です。低温でのクランキング粘度(CCS)は6,187 mPa·s(-30℃)で、5Wの上限6,600の範囲内。流動点は-39℃です。
日本の冬であれば、地域を問わず安心してお使いいただけます。
⑥ オイルが減りにくく、エンジンを汚れにくくする
オイルは、エンジンの熱で少しずつ蒸発して減っていきます。この蒸発のしやすさを表すのがNoack蒸発量です。
HLSは8.9%。 ACEA C3の上限13%に対して、4ポイント以上の余裕があります。補充の頻度が下がり、油量の管理が楽になります。
そしてHLSには、エンジン内部を汚れにくくする**CleanSynto®**が使われています。燃焼室、ピストンリングのまわり、バルブといった場所に、堆積物を溜めにくくするための技術です。酸を打ち消す力(TBN)も7.8と、しっかり確保しています。
内部リンク:CleanSynto®とは →
あわせて、オイルシールやパッキンといったゴムの部品への悪影響が少ない設計でもあります。
数字で見るHLS
ここまでに出てきた数字を、表にまとめます。
| 項目 | HLS SAE 5W-30 | 何を表す? |
|---|---|---|
| 粘度指数(VI) | 166 | 温度が変わっても硬さが変わりにくいか(高いほど良い) |
| 100℃動粘度 | 12.2 mm²/s | 温まったときのねばり。30グレードの上限に近い |
| 40℃動粘度 | 72.7 mm²/s | 冷えているときのねばり |
| HTHS粘度(150℃) | 3.68 mPa·s | 過酷な状況での油膜の頑張り |
| CCS粘度(-30℃) | 6,187 mPa·s | 寒い朝の始動のしやすさ(低いほど流れやすい) |
| MRV粘度(-35℃) | 20,400 mPa·s | 寒いときにオイルポンプが吸い上げやすいか |
| Noack蒸発量 | 8.9% | 熱でどれだけ蒸発して減るか(低いほど減りにくい) |
| 硫酸灰分 | 0.69 %wt. | 燃えたあとに残る灰の量(DPFへの影響) |
| TBN | 7.8 mgKOH/g | 酸を打ち消す力の余裕 |
| 流動点 | -39℃ | 固まって流れなくなる温度 |
| 引火点 | 234℃ | 火が付く温度(高いほど安全側) |
これらはすべて、技術資料(TDS)で公開しています。 気になる方は、ご自身の目で確かめてください。
承認と推奨の見方
HLSの資料には、「承認」と「推奨」が、別々に書かれています。
承認は、自動車メーカーの試験を通過して認められたもの。推奨は、RAVENOLが「この車にも使える」と自社の判断でお勧めしているものです。意味が違うので、分けて書いています。
承認(Approvals)
| 規格 | メーカー・内容 |
|---|---|
| BMW Longlife-04 | BMW |
| MB-Freigabe 229.51 | メルセデス・ベンツ |
| MB-Freigabe 229.52 | メルセデス・ベンツ(省燃費性と酸化安定性の追加要求) |
| GM dexos2™ | GM(ゼネラルモーターズ) |
| Opel OV 040 1547 – D30 | オペル |
| API SQ | 米国石油協会 |
推奨(Recommendations)
VW 502 00 / 505 00 / 505 01、MB 226.52 / 229.31、Opel OV 040 1547 – G30、PSA B71 2290 / B71 2297、Renault RN17、Ford WSS-M2C917-A、Fiat 9.55535-S3、Chrysler MS-11106、Stellantis FPW9.55535/03 / 05
オペルの「D30」と「G30」
同じオペルでも、D30は承認、G30は推奨です。扱いが違います。取扱説明書でどちらが指定されているか、ご確認ください。
向いている使い方
① 取扱説明書に、承認番号が書かれている車
BMW LL-04、MB 229.51 / 229.52、GM dexos2、Opel D30。このどれかが指定されているなら、HLSは第一候補になります。
② ACEA C3の5W-30を指定する欧州車
承認の指定がなく、C3だけが指定されている場合も、HLSは条件を満たしています。
③ DPFやGPFを備えた車
ミドルSAPS設計なので、フィルターを守りながら使えます。
④ 渋滞や短距離走行が多い使い方
油温が上がったり下がったりする条件で、高い粘度指数と低い蒸発量が役に立ちます。
内部リンク:バクー市街地サーキット|熱負荷が変動するコースと潤滑 →
⑤ オイルの減りが気になる車
Noack 8.9%という低蒸発性が、油量の減りにくさにつながります。
向いていない使い方
すべての車に合うオイルはありません。合わない場合は、正直にお伝えします。
① 粘度が5W-30ではない車
0W-20や5W-40を指定する車には使えません。粘度は、選ぶときの最初のフィルターです。
② VW 504 00 / 507 00 や、ポルシェC30を指定する車
HLSがVWについて持っているのは、推奨です。しかも502 00 / 505 00 / 505 01という、従来世代の規格です。504 00 / 507 00には対応していません。 ポルシェのC30も、HLSは持っていません。
該当する場合は、次の章でご紹介するVMPをお選びください。
内部リンク:VW 504 00 / 507 00 とは何か →
③ BMW LL-17 FE+ など、FE系を指定する車
FE系は、低粘度化による省燃費を目的としたカテゴリです。5W-30のHLSは使えません。
④ 国産車で、APIやILSACで指定されている車
国産車の規格で選ぶ場合は、SMO(5W-30)やDFE(0W-20)をおすすめします。
⑤ サーキットを本格的に走る使い方
サーキットでの連続走行がメインなら、私たちのレーシングラインのほうが向いています。
内部リンク:レース用オイルと市販オイルは何が違うのか →
HLSとVMP、どちらを選ぶ?
RAVENOLには、同じ5W-30でVMPという製品もあります。違いを整理します。
| HLS | VMP | |
|---|---|---|
| ベースオイル | 特殊なベースオイルによる合成油 | PAOベースの全合成 |
| 技術 | CleanSynto® | USVO® + CleanSynto® |
| 主な規格 | ACEA C3/API CF/API SQ | ACEA C3/API SN |
| BMW | LL-04(承認) | LL-04(承認) |
| メルセデス | 229.51・229.52(承認) | 229.51(承認) |
| VW | 502 00/505 00/505 01(推奨) | 504 00/507 00(承認) |
| ポルシェ | ― | C30(承認) |
| GM・オペル | dexos2/D30(承認) | ― |
HLSをおすすめする方
- BMW LL-04、MB 229.51 / 229.52、GM dexos2、Opel D30が指定されている
- ACEA C3の5W-30を指定する車に乗っている
- 標準的な使い方をしている
VMPをおすすめする方
- VW 504 00 / 507 00 が指定されている(HLSでは対応できません)
- ポルシェのC30が指定されている
- PAOベースと、USVO®による粘度安定性を求めている
VWとポルシェならVMP、GMとオペルならHLS。 どちらかが優れているのではなく、車が指定する承認に合うほうを選んでください。
まとめ
HLSは、欧州メーカーの承認を幅広く備えた、ミドルSAPSの5W-30です。
- BMW・メルセデス・GM・オペルの承認を、1本で備えている
- DPFを守る、ミドルSAPS設計(硫酸灰分0.69%)
- 温度変化に強い(粘度指数166)
- 高温でも油膜をしっかり保つ(HTHS 3.68)
- 減りにくく、寒い朝にも強い(Noack 8.9%、-39℃)
- CleanSynto®で、エンジン内部を汚れにくくする
5W-30を指定する欧州車で、BMW・メルセデス・GM・オペルのいずれかの承認が指定されているなら、HLSを自信を持っておすすめします。
選ぶ手順は簡単です。まず、取扱説明書のエンジンオイルの欄を開いてください。 そこに書かれた承認番号が、この記事の一覧にあれば、HLSは候補になります。なければ、条件に合った製品が別にあります。
迷ったときは、「車種からオイルを選ぶ」をお使いいただくか、お気軽にお問い合わせください。 私たちが、お車に合うオイルをいっしょに探します。
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