オイルの基礎知識

紅葉ドライブの前に見直したい、オイル以外の2つの液体 ― ブレーキフルードとクーラント

紅葉ドライブや冬の前に見直したい、ブレーキフルードとクーラント。DOT規格の違い、吸湿で沸点が下がる理由、 クーラントの3つの役割と選び方を、初心者の方にも分かるように解説します。RAVENOLの製品も紹介します。

紅葉ドライブの前に見直したい、オイル以外の2つの液体 ― ブレーキフルードとクーラント

こんにちは、RAVENOL JAPANです。

10月に入り、紅葉を見にドライブへ出かける方も増えてきました。山道を走る季節です。そして、朝晩は冷え込むようになり、冬も近づいています。

こんな季節に、見直しておきたい液体が2つあります。エンジンオイルではありません。ブレーキフルードと、クーラント(冷却液)です。

どちらも、車の安全と、エンジンの健康に関わる大切な液体です。ところが、オイルに比べて、気にかけてもらえる機会が少ない液体でもあります。この記事では、2つの役割と選び方を、初心者の方にも分かるようにご紹介します。

10月は、自動車点検整備推進運動の強化月間でもあります。点検のきっかけにしてください。

外部リンク:国土交通省「自動車点検整備推進運動」のページ

ブレーキフルード ― 足の力を、ブレーキに伝える液体

ブレーキペダルを踏むと、その力は液体を通して、タイヤのブレーキに伝わります。この液体が、ブレーキフルードです。

水分を吸って、沸点が下がっていきます

ブレーキフルードには、大事な弱点があります。空気中の水分を、少しずつ吸ってしまうことです。

水を含んだブレーキフルードは、沸騰する温度(沸点)が下がります。 そして、ブレーキを強く、何度も踏むと、ブレーキ部分は高温になります。ここでフルードが沸騰すると、中に泡ができます。泡は、押しても縮んでしまうので、ペダルを踏んでも力が伝わらなくなります。この現象をベーパーロックと呼びます。

山道の下りは、ブレーキに厳しい

長い下り坂が続く山道では、ブレーキを使い続けることになります。ブレーキは熱を持ち、フルードも熱くなります。水分を吸って沸点が下がったフルードでは、ベーパーロックのリスクが高まります。

紅葉ドライブの前に、ブレーキフルードを見直しておきたい理由は、ここにあります。

DOT規格の違い

ブレーキフルードには、DOT規格があります。数字が大きいほど、基本的に沸点の基準が高くなります。

規格乾いた状態の沸点(最低)水を含んだ状態の沸点(最低)
DOT 3205℃140℃
DOT 4230℃155℃
DOT 5.1260℃180℃

この数字は、規格が求める最低ラインの基準です。そして、車が指定しているDOT規格を、必ず確認してください。 指定より低い規格のフルードを入れてはいけません。

なお、DOT 5という規格は、シリコン系の別のタイプです。DOT 3・4・5.1とは種類が違うので、混ぜてはいけません。

交換の目安

ブレーキフルードは、水分を吸うので、使っていなくても、少しずつ劣化していきます。 交換の時期は、取扱説明書や整備手帳の指定に従ってください。多くの車では、車検のたびなど、2年ごとの交換が目安になっています。

ブレーキは、命に関わる部分です。交換は、整備工場や取扱店にお任せください。

RAVENOLのブレーキフルード

私たちは、用途の違う2つのブレーキフルードを用意しています。

RAVENOL DOT 5.1

DOT 5.1が指定されている車のための、ブレーキフルードです。

  • 規格: FMVSS 116 DOT 5.1、ISO 4925 Class 5.1、SAE J1704
  • 沸点: 乾いた状態で約270℃、水を含んだ状態で187℃。DOT 5.1の最低基準(260℃・180℃)を上回っています
  • 低温での流れやすさ: 粘度が低く、ABSやESPといった、ブレーキの電子制御システムを備えた現代の車に向いています

DOT 5.1は、DOT 3・4と同じグリコール系のフルードなので、DOT 5(シリコン系)のように、別のタイプではありません。 ただし、車の指定を必ず確認してください。

RAVENOL Racing Brake Fluid R 340+

モータースポーツの現場で開発・テストされた、競技用の高性能ブレーキフルードです。

  • 規格: FMVSS 116 DOT 4の要求を上回る。ISO 4925-4、SAE J1704に準拠した試験済み
  • 沸点: 乾いた状態で最高342℃、水を含んだ状態でも210℃以上
  • 特徴: ホウ酸エステルとグリコールエーテルをベースにした処方で、圧縮されにくく、ペダルの感触が安定しやすい設計です

DOT 4の基準も満たしているので、公道での使用にも対応しています。サーキットや山道を走る方で、DOT 4が指定されている車に向いています。

向いていない使い方

  • DOT 5.1が指定されている車に、R 340+は使えません。 R 340+は、DOT 4のタイプです。DOT 5.1の車には、RAVENOL DOT 5.1をお選びください
  • DOT 3が指定されている車に、DOT 5.1やR 340+を使う場合は、取扱説明書や整備工場でご確認ください
  • DOT 5(シリコン系)が指定されている車には使えません
  • 種類の違うブレーキフルードは、混ぜないでください。 入れ替えるときは、システム内を入れ替えてください

クーラント ― エンジンを、冷やして、凍らせず、さびさせない液体

クーラントは、不凍液、LLC(ロングライフクーラント) とも呼ばれます。エンジンの冷却水として、ラジエーターの中を循環している液体です。

役割は3つあります。

  1. 冷やす … 夏のオーバーヒートを防ぎます
  2. 凍らせない … 冬の凍結を防ぎます
  3. さびさせない … エンジンやラジエーターの金属を、腐食から守ります

3つ目の「さびさせない」が、実はいちばん大切です。クーラントの品質は、凍らせない力だけではなく、防錆の力で決まると言われています。凍らせない力は、成分のエチレングリコールが備えているので、グリコールをベースにした製品なら、どれも備えています。

色が同じでも、中身は違います

クーラントには、赤、緑、ピンク、紫といった色がついています。ただ、色は、あくまで目安です。同じ色でも、成分や性格が違うことがあります。

車によっては、メーカーごとに、クーラントの規格が決められています。 欧州車では、「VW TL 774-G(G12++)」「MB 325.5」といった規格で指定されることがあります。国産車でも、メーカーが指定するクーラントがあります。

取扱説明書で、指定されているクーラントの規格を確認してください。

濃縮タイプは、水で薄めて使います

クーラントには、そのまま使えるタイプと、水で薄めて使う濃縮タイプがあります。

濃縮タイプは、水との割合で、凍らない温度が変わります。

凍結しない温度クーラント水
-20℃まで35%65%
-37℃まで50%50%
-50℃まで60%40%

お住まいの地域の、冬の最低気温に合わせて、割合を決めてください。水は、きれいな水をお使いください。

RAVENOL LTC Concentrate Protect C12++

私たちのクーラント、RAVENOL LTC Concentrate Protect C12++をご紹介します。水で薄めて使う、濃縮タイプです。

LTCの良いところ

① シリケートと、有機酸系のハイブリッド

LTCは、シリケートと、OAT(有機酸系の防錆技術)を組み合わせた処方です。長く使えることを目指した、ロングライフタイプのクーラントです。

② アルミのエンジンに向いている

最近のエンジンは、軽くするために、アルミ製が増えています。LTCは、オールアルミのエンジンに向いたクーラントです。

③ 防錆の添加剤が充実している

アルミを含め、冷却系統に使われるすべての金属と合金を、さびから守るための防錆添加剤を配合しています。酸を中和する力の余裕(リザーブアルカリ度)も、しっかり確保しています。

④ 汚れと泡立ちを防ぐ

冷却系統の中に、沈殿物ができたり、泡立ったりするのを防ぎます。 泡立ちは、冷却の効率を落とす原因になります。

⑤ ゴムの部品にやさしい

ラジエーターのホースやパッキンといった、ゴムの部品との相性が良いように作られています。

⑥ 環境に配慮した成分

2-エチルヘキサン酸、ホウ酸塩、亜硝酸塩、アミン、リン酸塩を含みません。 環境と、金属への影響の両方に配慮した処方です。

規格と推奨の見方

LTCの資料には、「推奨」として、次の規格が書かれています。承認ではなく、RAVENOLが「この車にも使える」と自社の判断でお勧めしているものです。

  • VW … TL 774-G(G12++に相当)、TL 774-J(G13に相当)、G 012 A8G、G 013 A8J
  • メルセデス・ベンツ … MB 325.5、MB 325.6
  • MAN … 324 Si-OAT
  • Scania … TB 1451
  • Chrysler / Mopar … MS-90032、68163848AA、68163849AA
  • DTFR … 29C120

承認ではなく推奨であることを、ご理解ください。ご自身の車の指定を確認して、この一覧に含まれているかをご確認ください。

向いている使い方

  • VW・アウディで、G12++やG13が指定されている車
  • メルセデス・ベンツで、MB 325.5または325.6が指定されている車
  • アルミのエンジンで、防錆を大切にしたい方
  • 冬の最低気温が低い地域にお住まいの方(割合を変えて、-50℃までの対応が可能です)

向いていない使い方

  • G12、G12+など、古いタイプのクーラントが指定されている車。 LTCは、G12++・G13向けです
  • 国産車で、メーカー純正のクーラントが指定されている車。 LTCの推奨は、欧州車の規格が中心です。取扱説明書の指定をご確認ください
  • すでに薄まった状態で売られている「ストレートタイプ」をお探しの方。 LTCは濃縮タイプなので、水で薄める必要があります

秋の点検は、プロにお任せください

ブレーキフルードも、クーラントも、交換には、専門の工具と知識が要ります。

  • ブレーキフルード … 空気を抜く作業を誤ると、ブレーキが効かなくなります。命に関わる作業です
  • クーラント … 古い液体を完全に抜き、冷却系統を洗い、正しい割合で入れる作業が必要です

自動車点検整備推進運動が行われている10月は、整備工場や取扱店が、点検を受け入れる体制を整えている時期です。気になったら、ぜひご相談ください。

まとめ

  • ブレーキフルード … 水分を吸って、沸点が下がっていく液体。山道の下りの前に、見直したい
    • DOT 5.1の車には → RAVENOL DOT 5.1
    • DOT 4の車で、サーキットや山道を走る方には → RAVENOL Racing Brake Fluid R 340+
  • クーラント … 冷やす、凍らせない、さびさせない。冬の前に、見直したい
    • VW・アウディ・メルセデスなどの欧州車で、G12++・G13などが指定されている車には → RAVENOL LTC Concentrate Protect C12++

どの製品が合うかは、車の取扱説明書に書かれた規格で決まります。 迷ったときは、「車種からオイルを選ぶ」をお使いいただくか、お気軽にお問い合わせください。私たちが、お車に合うものをいっしょに探します。

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