BMW Longlife-04、そしてLonglife-01。BMWのオイルを選ぼうとすると、こうした表記に出会います。ちなみに略してLL-01、LL-04と書かれることもあります。
そしてこの番号が何を意味するのかを理解すると、BMWのオイル選びは驚くほど単純になります。なぜなら選択肢が一気に絞り込めるからです。
外部リンク:BMW純正エンジン・オイル
BMW Longlife-04 はBMWが定めた指定
まずSAE粘度やACEAは、業界団体の規格です。一方でBMW Longlife-○○は、BMWが自社の要求として定めているものです。具体的には取扱説明書やサービス情報で指定され、潤滑油メーカーはそれに対応する製品を供給します。
つまりオイル選びの出発点は、粘度ではなくこの番号です。要するに「BMWだから5W-30」ではなく、「自分の車がLL-○○を指定しているか」から始めます。
内部リンク:粘度表示とメーカー承認規格の読み方 →
LL-01 と BMW Longlife-04 の違いはSAPSにある
そしてこの2つが、最もよく目にする番号です。したがって違いを一言でいえば、排出ガス後処理装置への配慮の有無です。
| 番号 | 性格 |
|---|---|
| BMW Longlife-01 | SAPSの制限がないカテゴリ。高い性能を確保しやすい |
| BMW Longlife-04 | SAPSを制限したカテゴリ。DPFやGPFを搭載した車両に対応 |
SAPSとは何か
まずSAPSは、硫酸灰分・リン・硫黄の総称です。もちろんこれらは、オイルの清浄性や耐摩耗性を担う必要な成分です。
ところが燃焼室から排気側へ流れ込むと、DPFやGPFに灰分が堆積し、三元触媒の活性を低下させます。
つまりBMW Longlife-04は、後処理装置を守るために成分を制限したカテゴリです。なお技術的には、ACEAのC系列に近い設計にあたります。
内部リンク:ACEA規格の読み方 ― C1からC6まで →
したがって、DPFやGPFを搭載した車両にLL-01のオイルを使い続けるのは適切ではありません。 なぜならフィルターに堆積した灰分は、再生処理でも除去できないからです。
番号の大小は上位・下位ではない
ところが、ここが最も誤解される点です。
まずLL-01、LL-04、LL-12、LL-17。数字が並んでいるため、「新しいほうが高性能」「上位互換」と受け取られがちです。
しかしそうではありません。 これらは、SAPSの制限、要求される粘度、対象となるエンジン世代がそれぞれ異なる並列のカテゴリです。
たとえばLL-04指定の車にLL-01のオイルを入れれば、後処理装置の保護が損なわれます。逆にLL-01指定の車にSAPSを制限したオイルを入れることも、設計の前提とは異なります。
要するに判断基準は、自分の車が指定している番号だけです。
ちなみに同じ構造の誤解は、他のメーカーでも起きます。実際、508 00は504 00の上位版ではありません。そしてACEAのC1からC6も、性能の順位ではありません。つまりこの3つは、まったく同じ形の間違いです。
内部リンク:VW 504 00 / 507 00 とは何か →
「FE」「FE+」が付く番号
次にLL-12 FE、LL-14 FE+、LL-17 FE+といった表記があります。なおFEはFuel Economy、つまり省燃費を意味します。
そしてこれらは、低粘度化によって摩擦損失を減らすことを目的としたカテゴリです。具体的にはHTHS粘度(150℃・高せん断条件での粘度)の要求が、LL-01やBMW Longlife-04より低く設定されています。
ただし重要なのは、FE系は対象エンジンが限定されているという点です。なぜなら省燃費を狙った低粘度設計は、そのエンジンのクリアランスやオイルポンプの吐出量を前提に成立しているからです。したがって指定されていない車両に使うことは想定されていません。
つまり「省燃費のほうが良さそうだから」という理由で選ぶ対象ではない、ということです。
CBSが示す交換時期は、何を前提にしているか
さらにBMWは、走行条件をもとに整備時期を算出する方式を採用しています。具体的にはコンディション・ベースド・サービス(CBS)と呼ばれるもので、次のオイル交換までの残り距離が車両側に表示されます。
もちろん便利な仕組みです。ただし前提を押さえておく必要があります。
前提1:指定オイルが使われていること
まずこの算出は、指定されたオイルが使われていることを前提にしています。 なぜなら長い交換インターバルは、その期間にわたって性能を維持できるオイルがあって初めて成立するからです。
したがって指定を満たさないオイルを入れた状態で、残り距離の表示どおりに走らせるのは、根拠を欠いた運用になります。
前提2:日本での使い方は想定外の場合がある
もうひとつ、表示されている残り距離は、日本での使い方に最適化されているとは限りません。
具体的には短距離走行の繰り返し、渋滞での低速走行、猛暑下でのエアコン常用。つまりこうした条件はオイルにとって厳しく、しかも走行距離の数字には現れません。
内部リンク:猛暑を走り切ったエンジンオイルに何が起きているか →
なお日本国内での推奨交換時期は、欧州の案内と異なる場合があります。したがって具体的な距離や期間については、正規ディーラーの案内を確認してください。
自分の車の指定を調べる手順
そこで確認の順序です。
- 取扱説明書の「エンジンオイル」またはサービス関連の項を開く
- 指定されているLonglifeの番号を確認する
- 粘度の指定も併せて確認する
- その指定に対応した製品から選ぶ
ただし同じ車名でも、年式とエンジン形式によって指定は変わります。つまり**「3シリーズだからLL-04」といった覚え方はできません。**
したがって判断に迷う場合は、車台番号を伝えて正規ディーラーまたはBMWを扱う整備工場に確認するのが確実です。なぜなら車台番号があれば、その個体の正確な仕様が特定できるからです。
BMW Longlife-04 に対応するRAVENOL製品
承認と推奨の違いを、まず確認してください
まず潤滑油メーカーの製品情報には、「承認(Approval)」として記載されている項目と、「推奨・適合(Recommendation)」として記載されている項目があります。この2つは意味が異なります。
すなわち前者は自動車メーカーの試験を通過して承認リストに掲載されているもの、後者は潤滑油メーカーが自社の判断で適合を表明しているものです。
したがって製品を選ぶときは、TDS(製品技術資料)でどちらとして記載されているかを確認してください。
日常使用には HLS SAE 5W-30
そのうえで、RAVENOL HLS — High Lubrication Synto SAE 5W-30 はBMW LL-04の正式承認を取得しています。加えてMB 229.51 / 229.52の承認も併せ持ちます。
そして加減速が激しいシビアコンディション下でも熱劣化を抑え、安定した油膜を維持する設計です。つまり日本の都市部のように、渋滞と短距離走行が多い使い方に向いています。
スポーツ走行もするなら RUP SAE 5W-40
一方でサーキット走行や走行会にも参加する場合、RAVENOL RUP — Racing Ultra Performance SAE 5W-40 が選択肢に入ります。
ちなみにGT4レースでの実戦採用実績を持ち、ニュルブルクリンクをはじめとする過酷な耐久環境で鍛え上げられた製品です。
【入稿前に確認】 RUPがBMW LL-04の承認を取得しているか、TDSで確認してください。承認であれば「正式承認」、推奨であれば「適合」と書き分けてください。この記事自体が承認と推奨の違いを説明しているため、ここが曖昧だと矛盾します。
BMW M にお乗りなら VGO SAE 70W-80 LS
さらにエンジンオイル以外にも、BMW向けの製品があります。すなわちRAVENOL VGO SAE 70W-80 LS は、BMW MのLSD(リミテッドスリップデフ)向けに設計された全合成低粘度ギアオイルです。
つまりエンジンオイルだけでなく、駆動系まで含めて選べます。
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