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CleanSynto®とは ― エンジン内部を汚さないオイルの設計

CleanSynto®はRAVENOLの清浄性に関わる技術です。エンジン内部の汚れはどう生まれるのか、 灰分を抑えたオイルで清浄性を保つ難しさ、そしてCleanSynto®が担う役割を解説します。

CleanSynto®とは ― エンジン内部を汚さないオイルの設計

こんにちは、RAVENOL JAPANです。

この記事では、RAVENOLのオイルに使われている技術のひとつ、CleanSynto®(クリーンシント)をご紹介します。オイルにあまり詳しくない方にも分かるように、ていねいに説明します。

先に、ひとことでまとめます。

CleanSynto®は、エンジンの中に汚れ(すすや堆積物)を溜めにくくするための技術です。

RAVENOLには、もうひとつUSVO®という技術があります。この2つは、役割が違います。

  • USVO® … 粘度の技術。使っているうちにオイルのねばりが落ちにくいこと
  • CleanSynto® … 清浄性の技術。エンジン内部が汚れにくいこと

1つの製品に両方が使われていることもあれば、片方だけのこともあります。この記事では、CleanSynto®のほうを説明します。

内部リンク:USVO®とは →

エンジンの中で、汚れはどう生まれるの?

CleanSynto®を知るには、まず「エンジンの中の汚れ」が何なのかを知っておく必要があります。

エンジンの中は、思っている以上に汚れやすい場所です。燃料を燃やしている場所のすぐそばで、オイルが高温にさらされ続けているからです。

キッチンのコンロ周りを思い浮かべてください。毎日使っていれば、油汚れがついていきます。放っておくと固まって、落ちにくくなります。エンジンの中でも、同じようなことが起きています。

汚れの主な出どころ

スート(すす)。 燃料が燃えるときに生まれる、細かい粒子です。その一部がオイルに混ざります。ディーゼルだけでなく、直噴ガソリンエンジンでも発生します。

酸化した油。 オイルは、高温と空気にふれると、少しずつ酸化します。酸化が進むと、粘り気のある物質が生まれます。

燃焼で生まれる酸性の物質。 燃焼ガスが、ピストンリングの隙間からエンジンの下側へ漏れ込み、オイルに溶け込みます。

これらが集まって固まったものが、スラッジ(泥状の汚れ)やワニス(塗膜状の汚れ)、そしてピストンリングやバルブのまわりのデポジット(堆積物)です。

内部リンク:猛暑を走り切ったエンジンオイルに何が起きているか →

汚れが溜まると、何が困るの?

困るのは、汚れそのものより、汚れが油の通り道をふさぐことです。

エンジンオイルは、オイルポンプで吸い上げられ、フィルターを通り、細い油路を通って、エンジンの各部へ届きます。この道のどこかに汚れが溜まると、油が必要な場所に、十分に届かなくなります。

特に困るのは、エンジンをかけた直後や、高い負荷がかかっているときです。そのタイミングで油が届かないと、摩耗が進んでしまいます。

つまり、汚れの問題は「見た目が汚い」ではありません。潤滑の質そのものに関わる問題です。

オイルは、エンジン内部の「洗浄」もしている

意外に知られていませんが、エンジンオイルには清浄分散剤という添加剤が入っています。洗剤のような働きをする成分です。

  • 清浄剤 … 酸性の物質を打ち消し、エンジン内部の金属面に汚れがつくのを防ぎます
  • 分散剤 … すすや酸化した油を、細かい粒子のまま油の中に浮かせておきます。固まって溜まるのを防ぎ、オイルフィルターまで運んで、オイル交換のときに一緒に出してくれます

オイルが使っているうちに黒くなるのは、この分散剤が汚れを抱え込んでいるからでもあります。黒いことは、必ずしも劣化のサインではありません。 オイルが仕事をしている証拠でもあるのです。

内部リンク:エンジンオイルの日常点検、正しいやり方は? →

難しいのは、灰を抑えながら、清浄性を保つこと

ここが、CleanSynto®を語るうえで一番大事な話です。

清浄剤の多くは、金属を含む成分でできています。そして、オイルが燃えたあとに残る「灰」(硫酸灰分)の主な出どころが、この金属系の清浄剤です。

ところが、DPFやGPFといったフィルターを備えた現代の車では、オイルの灰を増やせません。 灰はフィルターに溜まって、再生処理をしても取り除けないからです。

だから、ACEA C3のような規格は、灰の量に上限を設けています。

内部リンク:ACEA規格の読み方 ― C1からC6まで →

つまり、次のようなジレンマがあります。

  • 汚れを防ぐには、清浄剤を増やしたい
  • でも清浄剤を増やすと、灰が増えて、フィルターを傷めてしまう

「灰を抑えながら、どうやって清浄性を保つか」。 これが、現代のオイル作りの難所です。

CleanSynto®は、私たちRAVENOLの答えのひとつ

CleanSynto®について、RAVENOLは次のように説明しています。

合成ベースオイルと、CleanSynto®の品質を決めるプレミアム添加剤を使って作る。エンジンの清浄性を高め、汚れを取り込む力(分散性)を高める。

そして目指しているのは、汚れの堆積を減らし、オイルが大切な潤滑箇所へ妨げられずに届くようにすることです。エンジンをより長く、きれいに保つ。そのうえで、エンジンの効率を高め、故障のリスクを下げる。それが、CleanSynto®の狙いです。

長い交換間隔へ向かう車の流れと、エンジンの清潔さへの要求が年々高まっていること。その両方に応えるための品質、というのがRAVENOLの説明です。

HLSの技術資料には、特性として次の記載があります。

  • 燃焼室、ピストンリングのまわり、バルブに、デポジットが残らない
  • ゴムのシール材への悪影響が少ない
  • 蒸発しにくく、オイルの消費が少ない

CleanSynto®は、全合成油だけでなく、半合成油にも使われています。 清浄性は、ベースオイルだけで決まるのではなく、添加剤の設計で作るものだからです。

実績のある技術

CleanSynto®は、新しい技術ではありません。2014年には、API SNの認可を取得した0W-16のオイルにも使われました。RAVENOLが長く磨いてきた、実績のある技術です。

数字で見る ― 灰と、酸を打ち消す力

清浄性に関わる数字を、製品の資料から並べてみます。

製品硫酸灰分(%wt.)TBN(mgKOH/g)
HLS SAE 5W-300.697.8
SMO SAE 5W-300.687.4
DFE SAE 0W-200.87.8
DXG SAE 5W-300.87.8

数字の意味は、次のとおりです。

  • 硫酸灰分 … オイルが燃えたあとに残る「灰」の量です。少ないほど、フィルターへの負担が小さくなります
  • TBN(全塩基価) … エンジン内で生まれる酸を打ち消す力の余裕です。清浄剤がどれだけ残っているかの目安になります

HLSは、灰を0.69%に抑えながら、TBNを7.8と十分に確保しています。灰を抑えつつ、酸を打ち消す力も保つ。 この両立が、清浄性を保つということの具体的な姿です。

内部リンク:RAVENOL HLS SAE 5W-30 とは →

CleanSynto®を採用している製品

日本のラインナップで、CleanSynto®を採用している製品です。

製品粘度技術こんな車に
HLS5W-30CleanSynto®欧州車(BMW・メルセデス・GM・オペルなどの承認)
FEL5W-30CleanSynto®ACEA C2を指定する車
SMO5W-30CleanSynto®国産車の規格で選ぶ、ガソリン車
VMP5W-30USVO® + CleanSynto®VW・アウディ・ポルシェ・BMW・メルセデス
DFE0W-20USVO® + CleanSynto®0W-20を指定するガソリン車、ハイブリッド車
DXG5W-30USVO® + CleanSynto®ガソリン直噴エンジンの車

CleanSynto®だけを採用している製品と、USVO®と一緒に採用している製品があります。 粘度の安定性が特に大切な製品には、両方を組み合わせています。

内部リンク:

製品を選ぶときは、まず取扱説明書で、車が指定している粘度と規格を確認してください。

環境面で、お伝えできること

清浄性の技術は、環境にも関わっています。ただ、根拠のあることだけをお伝えします。

  • 灰を抑えた設計は、DPFやGPFの目詰まりを防ぎます。 フィルターが長持ちすれば、交換にともなう廃棄物も減ります
  • 摩擦を減らす低摩擦設計は、燃料の消費を抑え、排出ガスの低減につながります。 RAVENOLは、CleanSynto®をベースにしたオイルが、燃料の節約と排出ガスの削減で環境保護に貢献すると説明しています
  • メーカーが長い交換間隔を認めている車では、それに対応しています。 交換の頻度が下がれば、廃油の量も減ります

CleanSynto®は、清浄性の技術です。植物由来といった、原料の話ではありません。

CleanSynto®が活躍する使い方

次のような条件では、エンジンの中の汚れが問題になりやすくなります。

  • 短距離走行の繰り返し。 油温が上がりきらず、燃焼で生まれた水分や酸性の物質が、オイルに残りやすくなります
  • 渋滞での低速走行。 高温になる時間が長いのに、走行風が当たりません
  • 直噴エンジン。 堆積物の問題が指摘されることの多い構造です
  • 長い交換間隔で使う車。 汚れを抱えたまま使う期間が長くなります

日本の日常的な走り方は、この条件に当てはまることが少なくありません。

内部リンク:長距離ドライブ後の点検 →

CleanSynto®に「できないこと」

過剰な期待を持たれないよう、限界もお伝えします。

すでに汚れが溜まったエンジンを、新品同様にするものではありません。 CleanSynto®は、汚れが溜まりにくくするための設計です。長年の蓄積を、一度に落とすものではありません。

交換の頻度を守らなくていい、という意味でもありません。 清浄分散剤にも寿命があります。使い続けるほど、汚れを抱え込む余裕は減っていきます。指定された交換時期は、守ってください。

粘度や承認が合わないオイルを、清浄性だけで選ぶのも正しくありません。 まず取扱説明書で、指定されている粘度と規格・承認を確認してください。

まとめ

CleanSynto®は、エンジンの中を汚れにくくする、RAVENOLの技術です。

  • 汚れを完全になくすことはできませんが、溜まりにくくするための設計です
  • 灰を抑えながら、清浄性を保つという、現代のオイルの難題に取り組んでいます
  • 粘度を安定させるUSVO®と、役割を分けています

HLS・FEL・SMO・VMP・DFE・DXG。製品ごとに、CleanSynto®の使われ方は少しずつ違います。それぞれの記事で、詳しくご紹介しています。

迷ったときは、「車種からオイルを選ぶ」をお使いいただくか、お気軽にお問い合わせください。 私たちが、お車に合うオイルをいっしょに探します。

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