こんにちは、RAVENOL JAPANです。
この記事では、私たちが自信を持っておすすめしている5W-30オイル、RAVENOL SMOを、オイルにあまり詳しくない方にも分かるように、ていねいにご紹介します。
先に、ひとことでまとめます。
SMOは、国産車の取扱説明書に書かれている規格(API・ILSAC)で選べる、ガソリン車向けの5W-30です。エンジンの中を汚れにくくする技術「CleanSynto®」を採用しています。
専門用語が出てきたら、そのつど説明します。数字が苦手な方も、安心して読み進めてください。
「5W-30」って、何の数字?
まず、オイルの缶に書かれている「5W-30」の読み方から。
オイルは、冷えると固くなり、温まるとさらさらになる性質があります。ハチミツを冷蔵庫に入れると固まって、温めるとさらさらになるのと同じです。
エンジンオイルの粘度表示は、この性質を2つの数字で表しています。
- 前の数字(5W) … 寒いときの流れやすさ。小さいほど、寒くてもさらさらしています
- 後ろの数字(30) … 温まったエンジンの中での、ねばり強さ
つまり5W-30は、「寒い朝でもちゃんと流れて、温まってからもしっかり油膜を保つ」ことを目指した粘度です。
もう少し詳しい読み方は、こちらの記事で解説しています。
内部リンク:粘度表示とメーカー承認規格の読み方 →
RAVENOL SMO は、どんな車に使えるの?
SMOが使えるのは、5W-30が指定、または使用可能とされているガソリン車です。ターボ車でも、直噴エンジンでも大丈夫です。
ただ、SMOはガソリンエンジン専用です。ディーゼル車には使えません。
そしてもうひとつ。近年の国産車には、0W-20や0W-16といった、もっとさらさらしたオイルを指定する車が増えています。 そうした車に、5W-30のSMOは使えません。
0W-20を指定する車には、私たちの「DFE SAE 0W-20」をおすすめします。 SMOと同じAPI SQ・ILSAC GF-7Aに対応していて、ハイブリッド車にも適した0W-20です。詳しくは、この記事の後半でご紹介します。
SMOの良いところ
SMOの特徴を、順番にご紹介します。
① 暑くても寒くても、ねばり具合が変わりにくい
最初の特徴は、温度が変わっても、オイルの硬さが変わりにくいことです。
これを表すのが粘度指数という数字です。高いほど、温度の影響を受けにくいオイルということになります。
SMOの粘度指数は162。 一般的な鉱物油ベースのオイルは100前後、品質の高いベースオイルを使うと150を超えてきます。162は、その上の領域です。
エンジンの中は、冷えているときと、真夏の渋滞で熱くなっているときとで、温度が大きく違います。どんな温度でも安定して働いてほしい。 そのために、ベースオイルの質にこだわってRAVENOLは作っています。
② 寒い朝のエンジン始動に強い
エンジンをかけた直後は、まだオイルがエンジンの隅々まで届いていません。実は、この数秒間が、エンジンの摩耗が進みやすい時間帯です。
SMOは、-30℃を下回る低温でも、始動直後から潤滑できる設計です。
- 低温でのクランキング粘度(CCS)… 5,700 mPa·s(-30℃)。5Wの規格の上限は6,600なので、その範囲に収まっています
- 流動点(これ以下の温度では固まって流れなくなる温度)… -39℃
日本の冬の寒さであれば、地域を問わず安心してお使いいただけます。
③ エンジンの中を、汚れにくくする
SMOには、RAVENOLの技術CleanSynto®が使われています。
エンジンの中では、燃料を燃やすたびに、すすや汚れが少しずつ生まれます。これがピストンやバルブのまわりに溜まっていくと、エンジンの調子を落とす原因になります。
CleanSynto®は、こうした堆積物(デポジット)を溜めにくくするための技術です。燃焼室、ピストンリングのまわり、バルブといった場所が対象です。
内部リンク:CleanSynto®とは →
数字でも見てみましょう。
- 硫酸灰分 0.68% … オイルが燃えたあとに残る「灰」の量です。少なめに抑えてあります
- TBN 7.4 … エンジン内で生まれる酸を打ち消す力の余裕です。しっかり確保されています
汚れを抑える力と、灰を抑えること。この両立が、最近のオイルの難しいところです。SMOはそこにきちんと取り組んでいます。
④ オイルが減りにくく、燃費にもやさしい
オイルは、エンジンの熱で少しずつ蒸発して減っていきます。
この蒸発のしやすさを表すのがNoack蒸発量です。SMOは9.6%。 普通の使い方なら、頻繁に継ぎ足しが必要になる水準ではありません。
さらにSMOは、摩擦を減らす低摩擦(ローフリクション)設計です。
- HTHS粘度 3.16 mPa·s … エンジンの中でいちばん過酷な状態(高温で、強く押しつぶされている状態)で、油膜がどれだけ頑張れるかを示す数字です。SAE 30グレードの下限2.9を、きちんと上回っています
摩擦を減らしながら、油膜はしっかり確保する。 省燃費と保護のバランスを取った設計です。
⑤ 最新の規格に対応している
SMOは、API SQ(Resource Conserving)とILSAC GF-7Aに対応しています。どちらも、ガソリンエンジン用オイルの最新の規格です。
この規格で強化されたのは、次のような点です。
- LSPI(低速早期着火)への対策 … 特にターボの直噴エンジンで起こりやすい、異常燃焼を抑えます
- タイミングチェーンの摩耗防止
- ピストンやターボの高温デポジット防止
- スラッジ(泥状の汚れ)の抑制
- 燃費性能の向上
- 排出ガス浄化装置の保護
そして古い規格を指定する車にも使えます。 API SQとILSAC GF-7Aは、それぞれの旧規格との後方互換性があります。取扱説明書に「API SN以上」「ILSAC GF-5以上」と書かれていれば、その条件を満たしています。
⑥ ゴムの部品を傷めにくい
エンジンには、オイルシールやパッキンなど、ゴムでできた部品がたくさんあります。
SMOは、こうしたシール材への悪影響が少ない設計です。長く乗っている車でも、安心して使えます。
数字で見るSMO
ここまでに出てきた数字を、表にまとめます。
| 項目 | SMO SAE 5W-30 | 何を表す? |
|---|---|---|
| 粘度指数(VI) | 162 | 温度が変わっても硬さが変わりにくいか(高いほど良い) |
| 100℃動粘度 | 10.3 mm²/s | 温まったときのねばり。30グレードの標準的な値 |
| HTHS粘度(150℃) | 3.16 mPa·s | 過酷な状況での油膜の頑張り |
| CCS粘度(-30℃) | 5,700 mPa·s | 寒い朝の始動のしやすさ(低いほど流れやすい) |
| MRV粘度(-35℃) | 18,900 mPa·s | 寒いときにオイルポンプが吸い上げやすいか |
| Noack蒸発量 | 9.6% | 熱でどれだけ蒸発して減るか(低いほど減りにくい) |
| 硫酸灰分 | 0.68 %wt. | 燃えたあとに残る灰の量 |
| TBN | 7.4 mgKOH/g | 酸を打ち消す力の余裕 |
| 流動点 | -39℃ | 固まって流れなくなる温度 |
これらはすべて、技術資料(TDS)で公開しています。 気になる方は、ご自身の目で確かめてください。
規格と推奨の見方
SMOの資料には、「承認(Approvals)」と「推奨(Recommendations)」が、別々に書かれています。
承認は、規格を満たしていることを示すもの。推奨は、RAVENOLが「この車にも使える」と自社の判断でお勧めしているものです。意味が違うので、分けて書いています。
承認
- API SQ Resource Conserving
- ILSAC GF-7A
推奨
Chrysler MS-6395、Fiat 9.55535-CR1、Ford WSS-M2C929-A、Ford WSS-M2C946-A、GM 6094M、Lexus、Mazda、Nissan、Subaru、Toyota
推奨欄のメーカー名について
推奨欄にはLexus、Mazda、Nissan、Subaru、Toyotaというメーカー名だけが並んでいます。
ここで気をつけてほしいのは、「そのメーカーのすべての車に使える」という意味ではないことです。メーカーが同じでも、車によって指定の粘度は違います。0W-20を指定している車には、5W-30のSMOは使えません。
必ず取扱説明書で、ご自身の車の指定を確認してください。
向いている使い方
① 取扱説明書で、5W-30が指定または使用可能とされているガソリン車
これが大前提です。
② API SN以上、ILSAC GF-5以上などを指定している車
後方互換性があるので、条件を満たします。
③ ターボや直噴のガソリン車
最新規格の、LSPI対策やデポジット対策がそのまま役に立ちます。
④ 短距離走行や渋滞が多い使い方
こうした使い方は、エンジンの中が汚れやすい条件です。CleanSynto®と、寒い日でも流れやすい特性が、日常の使い方で役に立ちます。
⑤ 国産車で、規格で選びたい方
メーカー独自の承認番号ではなく、粘度と規格で選ぶ国産車の考え方に、そのまま合います。
内部リンク:オイル交換の価格はなぜこんなに違うのか →
向いていない使い方
すべての車に合うオイルはありません。合わない場合は、正直にお伝えします。
① 粘度が5W-30ではない車
0W-20、0W-16、5W-20などを指定する車には使えません。 近年の国産車に多いパターンです。
そのうち0W-20の車には、次の章のRAVENOL DFEをおすすめします。
② ディーゼル車
SMOはガソリンエンジン向けです。ディーゼル車には、ディーゼルに対応したRAVENOL HLSなどをお選びください。
③ 欧州車で、メーカーの承認番号が指定されている車
BMW LL-04、MB 229.51、VW 504 00などが指定されている場合、SMOはその承認を持っていません。 指定された承認を持つ製品をお選びください。
内部リンク:
④ サーキットを本格的に走る使い方
サーキットでの連続走行がメインなら、私たちのレーシングラインのREP、RUP、RRSほうが向いています。
0W-20の車には、RAVENOL DFE SAE 0W-20
SMOが使えなかった方に、おすすめしたい製品があります。RAVENOL DFE(Durable Friction Economy)SAE 0W-20です。
DFEはどんなオイル?
PAO(ポリアルファオレフィン)をベースにした全合成の低摩擦オイルです。ガソリン車向けで、ターボや直噴にも対応しています。
PAOは、化学的に合成して作るベースオイルです。温度による変化が少なく、熱にも強いという性質があります。
DFEの良いところ
① USVO®とCleanSynto®、2つの技術を採用
SMOとの大きな違いが、USVO®も使っていることです。
0W-20は、とてもさらさらしたオイルです。さらさらしているぶん、油膜が薄くなりやすいという弱点があります。だからこそ、使っているうちにオイルのねばりが落ちにくいことが大切になります。USVO®は、そのための技術です。
内部リンク:USVO®とは →
② オイルが減りにくい
DFEのNoack蒸発量は5.9%。SMOの9.6%よりも低く、オイルが蒸発して減りにくい設計です。
③ 最新の規格に対応
SMOと同じAPI SQ(Resource Conserving)とILSAC GF-7Aに対応しています。そのほか、GMのdexos1 Gen 3の承認も取得しています。
④ ハイブリッド車にも
DFEは、さまざまなメーカーのハイブリッド車にも適したオイルです。
ハイブリッド車は、エンジンが止まったり動いたりを繰り返します。そのため、エンジンが十分に温まらない時間が増えやすい傾向があります。短距離走行が多い使い方と、同じような条件です。
ただし、車によって指定の粘度や規格は違います。 必ず取扱説明書でご確認ください。
数字で見るDFE
| 項目 | DFE SAE 0W-20 |
|---|---|
| 粘度指数(VI) | 158 |
| 100℃動粘度 | 8.93 mm²/s |
| HTHS粘度(150℃) | 2.78 mPa·s |
| CCS粘度(-35℃) | 5,400 mPa·s |
| MRV粘度(-40℃) | 14,600 mPa·s |
| Noack蒸発量 | 5.9% |
| 硫酸灰分 | 0.8 %wt. |
| TBN | 7.8 mgKOH/g |
| 流動点 | -63℃ |
DFEが向いていない使い方
- 0W-20以外を指定する車(0W-16、5W-30など)
- ディーゼル車
- 欧州車で、メーカーの承認番号が指定されている車
0W-16の車には、DFEは使えません。 0W-20とは別の粘度です。
内部リンク:DFE SAE 0W-20 の製品ページ →
SMO・DFE・HLS、どれを選ぶ?
迷ったら、**車の取扱説明書に書かれている「粘度」**から選んでください。
| 取扱説明書の指定粘度 | 国産車(規格で選ぶ) | 欧州車(承認で選ぶ) |
|---|---|---|
| 0W-20 | DFE | ― |
| 5W-30 | SMO | HLS |
3製品の比べ方
| SMO | DFE | HLS | |
|---|---|---|---|
| 粘度 | 5W-30 | 0W-20 | 5W-30 |
| 主な規格 | API SQ/ILSAC GF-7A | API SQ/ILSAC GF-7A | ACEA C3/BMW LL-04/MB 229.51・229.52 |
| 対象燃料 | ガソリン | ガソリン | ガソリン・ディーゼル |
| 技術 | CleanSynto® | USVO® + CleanSynto® | CleanSynto® |
| 粘度指数 | 162 | 158 | 166 |
| HTHS粘度 | 3.16 | 2.78 | 3.68 |
| Noack蒸発量 | 9.6% | 5.9% | 8.9% |
粘度が違うオイルどうしは、数字をそのまま比べられません。5W-30どうしなら、SMOとHLSは「国産車の規格で選ぶか、欧州車の承認で選ぶか」で使い分けます。
内部リンク:RAVENOL HLS SAE 5W-30 とは →
DXGについて
もうひとつ、DXG SAE 5W-30という製品もあります。PAOをベースにした全合成油で、USVO®とCleanSynto®の両方を採用し、GMのdexos1 Gen 3の承認を持つ、ガソリン直噴エンジン向けの5W-30です。LSPIを抑える設計でもあります。
まとめ
SMOは、国産車の規格で選べる、ガソリン車向けの5W-30です。
- 温度が変わっても、ねばりが変わりにくい(粘度指数162)
- 寒い朝の始動に強い(-30℃を下回る低温でも潤滑)
- CleanSynto®で、エンジンの中を汚れにくくする
- 摩擦を減らして省燃費、しかも油膜はしっかり確保(HTHS 3.16)
- 最新のAPI SQ・ILSAC GF-7Aに対応し、旧規格の車にも使える
5W-30を指定するガソリン車にお乗りなら、自信を持っておすすめします。
選ぶ手順は簡単です。取扱説明書の、エンジンオイルの欄を開いてください。
- 5W-30(API SN以上、ILSAC GF-5以上など) → SMO、DXG
- 0W-20 → DFE
- 欧州車でメーカー承認が指定されている → HLSなど、その承認を持つ製品
迷ったときは、「車種からオイルを選ぶ」をお使いいただくか、お気軽にお問い合わせください。 私たちが、お車に合うオイルをいっしょに探します。
内部リンク: