こんにちは、RAVENOL JAPANです。
この記事では、ディーゼル車のオイル選びを、オイルにあまり詳しくない方にも分かるように、ていねいに説明します。そのうえで、私たちが自信を持っておすすめしている5W-30、RAVENOL FELをご紹介します。
先に、ひとことでまとめます。
FELは、ガソリン車にもディーゼル車にも使える、ミドルSAPS設計の5W-30です。日本のディーゼル乗用車のための規格「JASO DL-1」と、欧州の「ACEA C2」に対応していて、エンジン内部を汚れにくくするCleanSynto®を採用しています。
専門用語が出てきたら、そのつど説明します。
「5W-30」って、何の数字?
オイルの缶に書かれた「5W-30」は、オイルの硬さを表しています。
オイルは、冷えると固くなり、温まるとさらさらになります。ハチミツと同じです。
- 前の数字(5W) … 寒いときの流れやすさ。小さいほど、寒くてもさらさらしています
- 後ろの数字(30) … 温まったエンジンの中での、ねばり強さ
つまり5W-30は、「寒い朝でもちゃんと流れて、温まってからもしっかり油膜を保つ」ことを目指した粘度です。
内部リンク:粘度表示とメーカー承認規格の読み方 →
ディーゼル車のオイルは、なぜ別物なの?
ディーゼルエンジンのオイルは、ガソリン車のオイルとは、求められることが違います。理由は大きく3つあります。
① すすが多く出る
ディーゼルエンジンは、燃料の燃え方の特徴から、**すす(スート)**が多く出ます。そのすすの一部が、オイルに混ざり込みます。
だから、ディーゼル車のオイルは、交換してからすぐに、真っ黒になります。 これは、オイルがすすを抱え込んで、エンジンの中をきれいに保っている証拠でもあります。黒いことは、必ずしも劣化のサインではありません。
内部リンク:エンジンオイルの日常点検、正しいやり方は? ― 色と匂いのお話 →
② DPFを、オイルの「灰」から守る必要がある
最近のディーゼル車には、排気ガスのすすを集めるフィルター、DPF(ディーゼル微粒子フィルター)がついています。
DPFに溜まったすすは、高温で焼いて取り除きます(再生)。ところが、オイルが燃えたあとに残る「灰」は、焼いても残って、フィルターに溜まっていきます。 溜まった灰は、取り除けません。
そこで、ディーゼル乗用車のオイルは、灰の元になる成分(硫酸灰分・リン・硫黄=SAPS)を、抑えて作ることが求められます。これが「低灰分」「ミドルSAPS」などと呼ばれるオイルです。
内部リンク:ACEA規格の読み方 ― C1からC6まで →
③ 燃料が、オイルに混ざることがある
DPFの再生のために、燃料を余分に噴射するディーゼル車があります。その燃料の一部が、シリンダーの壁を伝って、オイルに混ざってしまうことがあります。これを燃料の希釈と呼びます。
希釈が進むと、オイルのねばりが下がります。だからディーゼル車のオイルは、ねばりを保つ力も大切です。
内部リンク:猛暑を走り切ったエンジンオイルに何が起きているか ― 燃料希釈のお話 →
規格の読み方 ― JASO DL-1とACEA C2
ディーゼル乗用車のオイルには、2つの規格がよく出てきます。
| 規格 | 内容 |
|---|---|
| JASO DL-1 | 日本のディーゼル乗用車(DPFを備えた車)のための、オイルの規格。灰分を抑えている |
| ACEA C2 | 欧州のミドルSAPSの規格。灰分を抑えながら、省燃費性能も備える |
日本のディーゼル乗用車は、JASO DL-1をオイルの条件にしていることが多いです。欧州車のディーゼルでは、ACEAのC系列や、メーカー承認番号で指定されることがあります。
取扱説明書で、指定されている粘度と規格を、必ず確認してください。
RAVENOL FEL は、どんな車に使えるの?
FELが使えるのは、5W-30が指定されている、ガソリン車とディーゼル車です。ターボでも、直噴でも使えます。DPFを備えた車にも使えます。
とくに、JASO DL-1が指定されているディーゼル乗用車や、ACEA C2が指定されている車に向いています。
確認方法は、簡単です。車の取扱説明書を開いて、エンジンオイルの欄を見てください。 「5W-30」と、「JASO DL-1」または「ACEA C2」が書かれていれば、FELが候補になります。
FELの良いところ
ここからが本題です。FELの特徴を、順番にご紹介します。
数字も出てきますが、これらはすべて、製品ごとに公開している技術資料(TDS)に載っている測定値です。意味もあわせて説明します。
① DPFを守る、ミドルSAPS設計
FELは、灰を抑えたミドルSAPSのオイルです。硫酸灰分は0.53%。 DPFや触媒を備えた車を、長く、大切に使っていただくための設計です。
燃焼のあとに残る灰が少なければ、フィルターに溜まる量も抑えられます。
② ガソリン車にもディーゼル車にも使える
FELは、ガソリンエンジンにも、ディーゼルエンジンにも使えるオイルです。ガソリン車とディーゼル車の両方をお持ちの方は、オイルを1種類にそろえることもできます。ただし、それぞれの車が指定する規格に、FELが合っていることが大前提です。
③ 摩擦を減らして、燃費にやさしい
FELは、低摩擦(ローフリクション)設計です。エンジンの中の摩擦と、燃料の消費を抑えることを目指しています。
- HTHS粘度 3.2 mPa·s … エンジンの中でいちばん過酷な状態(高温で、強く押しつぶされる状態)での、油膜の頑張りを示します。ACEA C2の下限(2.9)を上回っています
④ 温度が変わっても、ねばりが変わりにくい
エンジンの中は、冷えているときと、渋滞で熱くなっているときとで、温度が大きく違います。どんな温度でも安定して働いてほしいわけです。
FELの粘度指数は166。 一般的な鉱物油ベースのオイルは100前後、品質の高いベースオイルで150を超えます。166は、その上の領域です。
⑤ 寒い朝の始動に強い
エンジンをかけた直後は、まだオイルが隅々まで届いていません。この数秒間は、摩耗が進みやすい時間帯です。
FELは、-25℃を下回る低温でも、始動直後から潤滑できる設計です。
- 低温でのクランキング粘度(CCS)… 4,765 mPa·s(-30℃)。5Wの規格の上限は6,600なので、その範囲に収まっています
- 流動点(これ以下の温度では固まって流れなくなる温度)… -42℃
⑥ 蒸発しにくく、エンジンを汚れにくくする
オイルは、エンジンの熱で、少しずつ蒸発して減っていきます。FELのNoack蒸発量は9.0%。 ACEA C系列の上限に対して、余裕があります。
そして、FELにはCleanSynto®を採用しています。エンジンの中に、すすや堆積物を溜めにくくするための技術です。酸を打ち消す力(TBN)は7.7と、しっかり確保しています。
あわせて、オイルシールやパッキンといったゴムの部品への悪影響が少ない設計でもあります。
内部リンク:CleanSynto®とは →
数字で見るFEL
ここまでに出てきた数字を、表にまとめます。
| 項目 | FEL SAE 5W-30 | 何を表す? |
|---|---|---|
| 粘度指数(VI) | 166 | 温度が変わっても硬さが変わりにくいか(高いほど良い) |
| 100℃動粘度 | 10.7 mm²/s | 温まったときのねばり。30グレードの範囲(9.3〜12.5)の中ほど |
| 40℃動粘度 | 61.4 mm²/s | 冷えているときのねばり |
| HTHS粘度(150℃) | 3.2 mPa·s | 過酷な状況での油膜の頑張り |
| CCS粘度(-30℃) | 4,765 mPa·s | 寒い朝の始動のしやすさ(低いほど流れやすい) |
| MRV粘度(-35℃) | 16,100 mPa·s | 寒いときにオイルポンプが吸い上げやすいか |
| Noack蒸発量 | 9.0% | 熱でどれだけ蒸発して減るか(低いほど減りにくい) |
| 硫酸灰分 | 0.53 %wt. | 燃えたあとに残る灰の量(DPFへの影響) |
| TBN | 7.7 mgKOH/g | 酸を打ち消す力の余裕 |
| 流動点 | -42℃ | 固まって流れなくなる温度 |
| 引火点 | 240℃ | 火が付く温度(高いほど安全側) |
これらはすべて、技術資料(TDS)で公開しています。 気になる方は、ご自身の目で確かめてください。
規格と推奨の見方
FELの資料には、「規格」と「推奨」が、別々に書かれています。
規格は、オイルが満たしている基準。推奨は、RAVENOLが「この車にも使える」と自社の判断でお勧めしているものです。意味が違うので、分けて書いています。
規格(Specifications)
- ACEA C2
- API CF
- API SN
- JASO DL-1
推奨(Recommendations)
Fiat 9.55535-S1、Honda i-CTDi、Honda i-DTEC、IVECO 18-1811 CLASSE SC1、Mazda MZ-CD、Mazda MZR-CD、Mazda CiTD、Mazda 183418、Mazda 183419、PSA B71 2290、Subaru Boxer Diesel、Suzuki、Toyota 08880-83388、Toyota 08880-83389
推奨欄のメーカー名・エンジン名について
推奨欄には、ホンダ、マツダ、スバル、スズキ、トヨタといった、日本のメーカーの名前も並んでいます。日本のディーゼル乗用車のオーナーにとっては、なじみのある名前です。
ただ、ここで気をつけていただきたいことがあります。
これらは、メーカーの承認ではなく、RAVENOLの推奨です。 そして、そのメーカーのすべてのディーゼル車に使える、という意味ではありません。 車ごとに指定の粘度や規格が違うので、5W-30でなければ使えません。
必ず取扱説明書で、ご自身の車の指定を確認してください。
向いている使い方
① 5W-30が指定されていて、JASO DL-1または ACEA C2を指定する車
これが大前提です。
② DPFを備えたディーゼル乗用車
灰を抑えたミドルSAPS設計なので、フィルターを守りながら使えます。
③ 短距離走行が多い使い方
ディーゼルは、短距離走行が多いと、すすや燃料がオイルに溜まりやすくなります。CleanSynto®と高い粘度指数が、日常の使い方で役に立ちます。
④ ガソリン車とディーゼル車の両方を、お持ちの方
FELは両方に使えます。ただし、それぞれの指定規格に合っていることが前提です。
向いていない使い方
すべての車に合うオイルはありません。合わない場合は、正直にお伝えします。
① 粘度が5W-30ではない車
0W-30や5W-40などを指定する車には使えません。ディーゼル車には、5W-30以外を指定する車もあります。
② 大型トラックなど、商用の大型ディーゼル車
FELは、乗用車とバン向けのオイルです。大型の商用車には、別の規格のオイルが必要です。
③ 欧州車で、メーカーの承認番号が指定されている車
BMW LL-04、MB 229.51、VW 507 00などを指定する車には、FELはその承認を持っていません。 FELが持っているのは、規格と推奨です。承認番号が指定されているなら、HLSやVMPなど、その承認を持つ製品をお選びください。
内部リンク:
④ ACEA C3やC5など、C2以外を指定する車
C系列の規格は、並列のカテゴリです。C3の指定車に、C2のオイルを入れることはできません。 HTHS粘度の要求が違うからです。
⑤ ガソリン車で、国産車の規格(API・ILSAC)を指定する車
FELはガソリン車にも使えますが、国産のガソリン車なら、SMO・DFE・DXGのほうが、規格がそのまま合います。
内部リンク:RAVENOL SMO SAE 5W-30 とは →
FELとHLS、どちらを選ぶ?
RAVENOLには、同じ5W-30で、ガソリン・ディーゼル両方に使えるHLSもあります。違いを整理します。
| FEL | HLS | |
|---|---|---|
| 主な規格 | ACEA C2/API CF/API SN/JASO DL-1 | ACEA C3/API CF/API SQ |
| メーカー承認 | なし(推奨のみ) | BMW LL-04/MB 229.51・229.52/GM dexos2/Opel D30 |
| 推奨 | ホンダ・マツダ・スバル・スズキ・トヨタなど | VW・PSA・ルノー・フォードなど |
| 硫酸灰分 | 0.53% | 0.69% |
| HTHS粘度 | 3.2 | 3.68 |
| 技術 | CleanSynto® | CleanSynto® |
日本のディーゼル乗用車で、JASO DL-1が指定されているならFEL。欧州車で、BMW・メルセデス・GM・オペルの承認番号が指定されているならHLSです。
どちらかが優れているということではなく、車の指定に合うほうを選んでください。
内部リンク:RAVENOL HLS SAE 5W-30 とは →
まとめ
FELは、ガソリン車にもディーゼル車にも使える、ミドルSAPS設計の5W-30です。
- 日本のディーゼル乗用車のためのJASO DL-1と、欧州のACEA C2に対応
- 灰を抑えて、DPFを守る設計(硫酸灰分0.53%)
- 温度変化に強い(粘度指数166)
- 寒い朝に強く、固まりにくい(流動点-42℃)
- エンジンの中を汚れにくくする(CleanSynto®)
5W-30を指定して、JASO DL-1を求める日本のディーゼル乗用車にお乗りなら、自信を持っておすすめします。
選ぶ手順は簡単です。取扱説明書の、エンジンオイルの欄を開いてください。 「5W-30」と「JASO DL-1」または「ACEA C2」が書かれていれば、FELは候補になります。なければ、条件に合った製品が別にあります。
お求めいただける容量は、製品ページでご確認ください。
迷ったときは、「車種からオイルを選ぶ」をお使いいただくか、お気軽にお問い合わせください。 私たちが、お車に合うオイルをいっしょに探します。
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